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まだ9月。でもインフルエンザはすでに流行中。

まだ9月。でもインフルエンザはすでに流行中。|MediK 与野内科クリニック|与野駅の内科・消化器内科・内視鏡・皮膚科・美容皮膚科

2026年9月29日

まだ9月。でもインフルエンザはすでに流行中。

今シーズンの流行と、ワクチンについて知っておきたいこと

「インフルエンザは冬の病気」
そんなイメージを持っている方は多いと思います。
秋になったらワクチンを接種して、冬の流行に備える。
そんな季節感が一般的かもしれません。
ところが、2026年9月現在、埼玉県ではすでにインフルエンザの患者報告数が増えています。
埼玉県の感染症発生動向調査では、第38週(9月14日~20日)の報告患者数は2,333人、1定点当たり13.56人でした。
注意報の基準となる「10人」を超えたことから、埼玉県は9月25日にインフルエンザの流行注意報を発令しています。埼玉県公式ウェブサイト
さいたま市でも同じ第38週に404人、1定点当たり9.85人が報告されています。さいたま市公式ウェブサイト
まだ9月ですが、少なくとも私たちが暮らす地域では、
「冬になる前に備える感染症」とだけ考えるのは難しくなっています。
では、すでに流行がみられている今、インフルエンザワクチンをどう考えればよいのでしょうか。

「もう流行しているなら、ワクチンは遅い?」


これは、この時期に気になるところだと思います。
インフルエンザの流行が、これからどの程度続くのか、どのような規模になるのかを現時点で正確に予測することはできません。
また、ワクチンを接種した直後から十分な予防効果が得られるわけでもありません。
一方で、9月に患者数が増えたからといって、その後すぐに流行が終わるとも限りません。
インフルエンザにはA型・B型などがあり、一つのシーズンの中でも流行するウイルスの状況が変化することがあります。
そのため、
「すでに流行しているから、今から接種しても意味がない」
と単純に考える必要はないでしょう。
日本感染症学会も、2026年9月18日に今シーズン(2026/27シーズン)のワクチン接種についての提言を公表しています。感染症情報センター

ワクチンを打てば、インフルエンザにならない?


ここは誤解されやすいところです。
ワクチンを接種しても、インフルエンザを発症することはあります。
厚生労働省も、現在のインフルエンザワクチンについて、ウイルスへの感染そのものを完全に抑えるものではないと説明しています。
一方で、発病する可能性を一定程度低下させる効果に加えて、発病した場合の重症化を予防する効果が期待されています。 厚生労働省
ですから、
ワクチンを打った
=絶対にインフルエンザにならない
というものではありません。
反対に、
完全に防げない
=接種する意味がない
ということでもありません。
「かからないための保証」ではなく、発病や重症化のリスクを下げるための手段の一つ
と考える方が実態に近いでしょう。

インフルエンザは「熱が出る風邪」だけではありません


インフルエンザでは、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感など、全身症状が比較的強く出ることがあります。
多くの方は回復しますが、肺炎や脳症などの重い合併症を生じる場合もあります。
特に高齢者や基礎疾患のある方などでは、重症化の可能性が高くなると考えられています。厚生労働省
ワクチンについて考えるときには、
「インフルエンザになるか、ならないか」だけではなく、「もし発症した場合に重症化するリスクをどう下げるか」
という視点もあります。

インフルエンザワクチンは、毎年同じもの?


実は、まったく同じではありません。
インフルエンザウイルスは変化するため、そのシーズンに使用するワクチン株は、国内外の流行状況やウイルスの抗原性などをもとに毎年検討されています。
現在国内で用いられている季節性インフルエンザワクチンは、
A(H1N1)
A(H3N2)
B(Victoria系統)

の3種類の成分を含む3価ワクチンです。厚生労働省
そのため、
「去年接種したから、今年も同じ」
というわけではありません。
前年にワクチンを接種していても、そのシーズンのワクチン接種を改めて検討するという考え方になります。厚生労働省も、毎シーズン流行が予測されるウイルスをもとにワクチンが製造されることから、前年接種した人も翌シーズンの接種を検討する考え方を示しています。厚生労働省

今年のワクチンは「効く」のでしょうか

これは、現時点では慎重に考えた方がよい質問です。
実際のワクチンの有効性は、流行するウイルスとワクチン株との関係、年齢、基礎疾患、過去の感染・接種歴などさまざまな要因の影響を受けます。
したがって、
「今年のワクチンは○%効く」
と、シーズン開始時点で一つの数字を示すことはできません。
また、ワクチン株と実際の流行株が完全に一致するとは限りません。
それでも厚生労働省は、抗原性に違いが生じた場合でも、ヒトでは一定程度の有効性が保たれることが疫学研究から示されていると説明しています。厚生労働省
つまり、
「今年は絶対によく効く」とも、「流行株が少し変われば意味がない」とも、単純には言えない
ということです。

ワクチンだけで予防するわけではありません

インフルエンザ対策は、ワクチンだけではありません。
埼玉県は現在の流行状況を受けて、手洗いや咳エチケット、十分な休養などを呼びかけています。埼玉県公式ウェブサイト
厚生労働省も、
手洗い、適度な湿度、十分な休養と栄養、換気などを予防策として挙げています。厚生労働省
そして体調が悪いときには、無理をしないことも大切です。
また、
「ワクチンを接種したから、発熱してもインフルエンザではない」
とは考えないでください。
接種後でも発症することはあります。

発症したときには「早め」が意味を持つことも

インフルエンザには抗ウイルス薬による治療があります。
厚生労働省によると、抗インフルエンザウイルス薬を発症から48時間以内に開始した場合、発熱期間が通常1~2日短縮し、ウイルス排出量も減少するとされています。一方、すべての患者さんに抗ウイルス薬が必須というわけではなく、使用するかどうかは症状や背景などから判断します。厚生労働省
高熱や強い倦怠感、咳などがあり、
「インフルエンザかもしれない」
と思った場合には、無理をせず医療機関への相談を検討してください。

今年は「少し早めに考える」

2026年9月。
埼玉県では、すでにインフルエンザの定点当たり報告数が注意報基準を超えています。埼玉県公式ウェブサイト
だからといって、
「今年は大流行する」
と現時点で決めつけることはできません。
今後、患者数がどのように推移するかも分かりません。
ただ、
「インフルエンザについて考えるのは冬になってから」
という感覚よりは、今年は少し早めに流行状況を確認し、予防について考えておいてもよさそうです。
MediK 与野内科クリニックでは、10月1日からインフルエンザワクチン接種を開始します。
高校生以上64歳までの任意接種は、**1回3,500円(税込)**です。
対象となる方の公費接種にも対応しています。
ご予約を承っていますが、当日ワクチンの在庫がある場合には、予約なしで接種できる場合もあります。
ワクチンを接種するかどうかは、年齢、基礎疾患、生活環境などによっても考え方が変わります。
「自分は接種した方がいいのかな」
と迷われる場合には、診察の際にご相談ください。
必要以上に怖がるのではなく、現在の流行状況を知ったうえで、自分に合った備え方を考える。
今年のインフルエンザについては、そんな向き合い方がよいのではないかと思います。

参考資料
日本感染症学会「2026/27シーズンに向けたインフルエンザワクチン接種に関する考え方とトピックス」2026年9月18日。感染症情報センター
埼玉県「インフルエンザの流行注意報を発令します」2026年9月25日。埼玉県公式ウェブサイト
さいたま市「さいたま市のインフルエンザの流行状況」2026年9月25日更新。さいたま市公式ウェブサイト
厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」。厚生労働省

執筆:木村 聡
MediK 与野内科クリニック 院長
医学博士/認定内科医

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