大腸がん
大腸がん
当院では、大腸がんの早期発見、正確な診断、必要に応じた専門医療機関への紹介までを大切にしています。
大腸がんは、大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍です。早期には自覚症状が乏しいことがあり、症状が出てから見つかった場合には進行していることもあります。一方で、早期に発見できれば、内視鏡治療など体への負担が少ない治療を選択できる可能性があります。
大腸がんの早期発見には、便潜血検査を定期的に受け、陽性の場合は必ず精密検査につなげることが重要です。便潜血検査は大腸がん死亡率を下げる効果が示されている検診ですが、陽性の場合に再度便検査を繰り返して陰性を確認する方法は推奨されません。大腸ポリープや大腸がんが隠れている可能性があるため、精密検査として大腸内視鏡検査を受けることが大切です。
当院では、富士フイルムの内視鏡診断支援機能「CAD EYE」を導入し、大腸内視鏡検査中の画像をAI技術で解析して、ポリープなどの病変が疑われる部分の検出を補助します。また、画像強調観察や拡大内視鏡を活用し、病変が疑われる部分では表面構造や血管の模様を詳しく観察します。AIは医師の診断を置き換えるものではありませんが、丁寧な観察を支える補助機能として活用しています。

大腸がんは初期には無症状のことがありますが、進行すると便通異常や出血、貧血などをきっかけに見つかることがあります。以下のような症状や背景がある方はご相談ください。
痔の出血だろう、年齢のせいだろうと自己判断して放置すると、大腸がんや大腸ポリープを見逃す可能性があります。血便、便潜血陽性、貧血、体重減少、便が細くなったなどのサインがある場合は、早めの受診をおすすめします。
大腸がんは、大腸の粘膜から発生します。直腸やS状結腸に多くみられますが、上行結腸や横行結腸など、どの部位にも発生する可能性があります。
大腸がんには、主に2つの発生経路があります。
1.良性のポリープががん化するルート
大腸腺腫と呼ばれるポリープが、時間をかけて大きくなり、その一部ががんへ進むことがあります。すべてのポリープががんになるわけではありませんが、がん化リスクのあるポリープを適切に発見し、必要に応じて切除することは、大腸がん予防につながります。
2.正常な粘膜から直接発生するルート
ポリープを経由せず、平坦な病変や陥凹した病変として発生することがあります。このような病変は見つけにくい場合があるため、丁寧な観察が重要です。当院では、通常光観察に加え、画像強調観察、拡大内視鏡、CAD EYEによるAI診断支援を活用し、病変の発見と評価に努めています。
大腸がんのリスクには、年齢、家族歴、過去の大腸ポリープや大腸がんの既往、炎症性腸疾患などがあります。また、赤身肉や加工肉の摂取が多いこと、飲酒、喫煙、肥満、運動不足などの生活習慣も関係します。
40歳を過ぎると大腸がん検診の対象となるため、定期的な便潜血検査が大切です。便潜血検査で陽性になった場合や、血便、便通異常、貧血などがある場合は、大腸内視鏡検査による確認をおすすめします。
大腸がんの早期発見には、便潜血検査と大腸内視鏡検査を適切につなげることが大切です。便潜血検査は有効なスクリーニング検査ですが、陽性の場合は精密検査が必要です。
便潜血検査は、便に目に見えない血液が混じっていないかを調べる検査です。大腸がん検診として広く行われており、定期的に受けることで大腸がん死亡率の低下が期待できます。
ただし、便潜血検査が陰性でも、大腸ポリープや大腸がんが絶対にないとは言い切れません。早期がんや一部のポリープは毎日出血しているわけではないためです。また、陽性の場合に「もう一度便検査をして陰性なら大丈夫」と判断するのは危険です。便潜血陽性を指摘された場合は、大腸内視鏡検査をご検討ください。
当院では、通常光観察に加え、画像強調観察や拡大内視鏡を活用し、大腸の粘膜を丁寧に観察します。病変が疑われる部分では、表面構造や血管の模様を詳しく確認し、必要に応じて組織検査を行います。CAD EYEによるAI診断支援も併用し、ポリープなどの病変が疑われる部分の検出を補助します。
検査への不安が強い方には、鎮静剤を使用した大腸カメラもご提案できます。鎮静剤を使用した場合は、検査後にリカバリーベッドで休憩していただきます。また、下剤の服用が不安な方には、院内での下剤服用スペースや一部個室をご案内できる場合があります。
検査中に切除可能なポリープを認めた場合は、その場で日帰り切除を行えることがあります。ただし、大きな病変、がんが疑われる病変、出血リスクが高い病変、入院管理が望ましい病変については、安全性を優先し、専門医療機関へご紹介します。
大腸がんや大腸ポリープの治療方針は、病変の大きさ、形、深さ、病理結果、転移の有無、全身状態によって異なります。当院では、内視鏡検査で病変を確認し、必要に応じて組織検査やポリープ切除を行います。
早期の大腸がんやがん化リスクのあるポリープでは、内視鏡治療が選択できる場合があります。一方で、深く浸潤している可能性がある病変、リンパ節転移や遠隔転移が疑われる病変、手術や薬物療法が必要な病変では、専門医療機関での治療が必要です。
がんが疑われる病変を認めた場合は、病理検査を行い、必要に応じてCT検査、迅速血液検査、腹部エコー検査などで全身状態や病変の広がりを確認します。そのうえで、内視鏡治療、手術、薬物療法などに対応できる大学病院、がん専門病院、地域の中核病院へ速やかにご紹介します。
専門医療機関での治療後も、日常的な体調管理、生活習慣病の管理、貧血や栄養状態の確認、再検査の相談など、地域のかかりつけ医として継続的にサポートします。大腸がんは、早期発見と適切な治療につなげることで、治療選択肢が広がる可能性があります。便潜血陽性や血便を放置せず、早めにご相談ください。
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