胃ポリープ
胃ポリープ
当院では、健康診断や人間ドックのバリウム検査、胃カメラ検査で胃ポリープを指摘された方に対して、胃内視鏡検査による精密な確認と、ポリープの種類に応じた経過観察・治療方針のご提案を行っています。
胃ポリープとは、胃の内側の粘膜が局所的に盛り上がって見える病変の総称です。「ポリープ」と聞くと、がんではないかと不安になる方も少なくありませんが、胃ポリープの多くは良性で、すぐに切除が必要なものばかりではありません。
一方で、ポリープの種類によっては、出血や貧血の原因となるもの、ピロリ菌感染や慢性胃炎と関係するもの、腫瘍性病変として慎重な評価が必要なものがあります。また、見た目がポリープに似た早期胃がんが隠れていることもあるため、胃カメラで形、色調、表面構造、周囲粘膜の状態を確認することが大切です。
当院では、通常光観察に加え、画像強調観察や拡大内視鏡を活用し、ポリープの表面構造や血管の模様を詳しく観察します。また、富士フイルムの内視鏡診断支援機能「CAD EYE」によるAI診断支援も併用し、胃や食道の病変が疑われる部分の検出を補助します。AIは医師の診断を置き換えるものではありませんが、丁寧な観察を支える補助機能として活用しています。

胃ポリープは、多くの場合、症状がないまま健診や胃カメラで偶然見つかります。以下のような結果や症状がある方はご相談ください。
胃ポリープで大切なのは、「ポリープがあるかどうか」だけでなく、「どの種類のポリープか」「周囲の胃粘膜に萎縮や炎症があるか」「出血や腫瘍性変化を疑う所見がないか」を確認することです。バリウム検査では隆起の有無は分かっても、ポリープの種類や胃粘膜の状態までは判断しにくいため、胃カメラによる確認が重要です。
胃にできるポリープにはいくつかの種類があります。代表的なものには、胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、胃腺腫があります。見た目や発生しやすい背景が異なるため、胃カメラで周囲の粘膜も含めて確認します。
① 胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープは、胃の上部から体部にかけて見つかることが多い、表面がなめらかな小さなポリープです。複数みられることもあります。ピロリ菌に感染していない胃や、炎症・萎縮の少ない胃にみられることが多く、通常はがん化のリスクは低いとされています。
多くの場合、治療や切除は必要なく、経過観察となります。ただし、大きいもの、形が不整なもの、色調が通常と異なるもの、家族性ポリポーシスなど特殊な背景が疑われる場合には、生検や追加評価を行うことがあります。
② 過形成性ポリープ
過形成性ポリープは、赤みがあり、表面がやや不整に見えることがあるポリープです。ピロリ菌感染や慢性胃炎、萎縮性胃炎など、炎症のある胃粘膜を背景に発生することがあります。
多くは良性ですが、大きくなると表面からじわじわ出血し、貧血の原因になることがあります。また、まれに腫瘍性変化を伴うことがあるため、大きさ、形、表面構造、出血の有無を確認します。ピロリ菌陽性の場合、除菌治療によって縮小することがあります。大きいもの、出血しているもの、形が不整なものでは、生検や切除を検討します。
③ 胃腺腫
胃腺腫は、胃の粘膜から発生する腫瘍性病変です。ポリープのように盛り上がって見つかることもあります。ピロリ菌感染後の萎縮性胃炎を背景に発生することがあり、胃がんとの鑑別が重要です。
胃腺腫は、低異型度から高異型度まで幅があり、すべてがすぐにがんになるわけではありません。しかし、病変の大きさ、形、色調、表面構造、病理結果によっては、内視鏡的切除が望ましい場合があります。当院で胃腺腫や早期胃がんが疑われる場合は、必要に応じて専門医療機関へご紹介します。
胃ポリープの種類を見極め、早期胃がんなどの重要な病気を見落とさないためには、胃カメラ検査が重要です。
バリウム検査では「胃の中に隆起がある」ことは分かっても、ポリープの種類、表面構造、出血の有無、周囲粘膜の萎縮や炎症までは詳しく分かりません。当院では、胃カメラでポリープの大きさ、形、色調、表面の凹凸、血管の見え方、周囲粘膜の状態を丁寧に確認します。
通常光観察に加え、画像強調観察や拡大内視鏡を活用し、病変が疑われる部分では表面構造や血管の模様を詳しく観察します。また、CAD EYEによるAI診断支援も併用し、胃や食道の病変が疑われる部分の検出を補助します。
検査室には青色系の補助照明を取り入れ、患者さんが落ち着いて検査を受けられる環境づくりにも配慮しています。検査が不安な方には、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用した胃カメラもご提案できます。鎮静剤を使用した場合は、検査後にリカバリーベッドで休憩していただきます。
内視鏡での観察だけで判断が難しい場合、ポリープが大きい場合、形や色調が不整な場合、がん化や胃腺腫が疑われる場合には、組織を一部採取して顕微鏡で確認する病理組織検査を行います。生検結果をもとに、経過観察でよいか、切除や専門医療機関への紹介が必要かを判断します。
胃ポリープの治療方針は、ポリープの種類、大きさ、形、出血の有無、病理結果、ピロリ菌感染の有無によって異なります。
① 経過観察(大部分のケース)
胃底腺ポリープや、小さく出血や異型を疑う所見がない過形成性ポリープでは、多くの場合、経過観察となります。すべての胃ポリープを切除する必要はありません。必要な検査間隔は、ポリープの種類、胃粘膜の萎縮、ピロリ菌感染、過去の検査結果によって異なります。
② ピロリ菌の除菌治療
過形成性ポリープや萎縮性胃炎があり、ピロリ菌感染が確認された場合は、除菌治療を検討します。除菌により、過形成性ポリープが縮小することがあります。また、除菌治療は胃炎の進行抑制や胃がんリスクの低減も期待できます。ただし、除菌後も胃がんリスクが完全になくなるわけではないため、胃粘膜の状態に応じた経過観察が大切です。
③ 内視鏡的切除術
大きな過形成性ポリープ、出血や貧血の原因となっているポリープ、胃腺腫、早期胃がんが疑われる病変では、内視鏡的切除を検討します。当院で切除よりも専門的な治療が望ましいと判断した場合は、内視鏡治療に対応できる専門医療機関へスムーズにご紹介します。
胃ポリープは、種類を正しく見極めれば、過度に怖がる必要はありません。一方で、健診結果だけで自己判断するのは避けるべきです。胃ポリープを指摘された方、過去のポリープの経過が気になる方は、健診結果や過去の内視鏡結果をお持ちのうえ、当院へご相談ください。
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